胸部＆腰部の各パーツを部分的に仮組みしてみました。カラーレジン成型で組み立てるだけで設定の色分けが再現可能になっています。
また、肩、腹、腰に関節を仕込んであるので、その辺りもご紹介していきます。

1-1：胸部パーツの接着部分
写真の矢印の部分は、原型状態ではパーツの合いに遊びがなく、非接着のハメ込み式を諦めて、組みたて説明書では接着指定なのですが、レジンに置換されたパーツで試したところ、少加工でレジンの柔軟性を活かした、非接着のハメ込み式にできそうなので加工してみました。

1-2：加工例
コクピットブロックのグレーのパーツの裏側に細切り角棒を写真のように接着してみました。接着位置は仮組みをして現物合わせをしています。

1-3：図解
胴体を側面から見た断面図です。
矢印の(1)の部分をひっかけてから「2-2」の写真で接着した突起の(2)をパチン! と押し込むと、しっかりと固定されます。
外したいときはレジンの柔軟性を活かして、コクピットハッチのグレーのパーツを手前に引くと簡単に外れます。

1-4：固定された状態
こんな感じでパーツが固定されます。簡単な加工で組み立て後のポリキャップの交換などのメンテナンスがしやすくなるので、お勧めです。

1-5：首のフレームパーツのプチ加工-1
首のフレームパーツは、レジンパーツ内に「プラサポ」を内蔵するパーツ構成で、強度確保の為にやや厚みのある形状にしてあるのですが、プラサポ接着後は強度が確保されるので、首の下に当る部分を少し削ると可動範囲を少し広げることができます。
製品状態でも二重関節構造で横回転・上向き・下向き、左右への首かしげ等が可能ですが、この加工で、さらに各方向2〜3度可動範囲を広げることが可能です。

1-6：カットする部分
内側に内蔵したプラサポを瞬間接着剤でしっかりと接着したのち、白く塗った部分をデザインナイフやヤスリ等でカットします。完成後は見えなくなる部分なので、大まかな削り込みで大丈夫です。

1-7：加工したフレームパーツ
首とフレームパーツの隙間が広がりました。次回以降頭部を組みたてた際に可動範囲の写真を掲載する予定です。

2-1：胸部下部の組み立て
胸部のフレームパーツに両肩の5ｍｍ径ポリパーツと首フレームパーツを組み込んで、左右の赤いパーツで挟んでしっかり接着します。

2-2：コクピットハッチの後ハメ
コクピットハッチのベースとなるグレーのパーツは、レジンの柔軟性を活かして、ハメる部分を少し広げて後ハメする事ができます。

2-3：上面のハメ込み
写真「1-2」〜「1-4」で解説したように、上面を組みます。コクピットハッチの黄色いパーツは強力タイプの両面テープで仮止めしています。

2-4：ハッチの開閉
コクピットのハッチはこのように可動します。

2-5：胸上面のインテークの仕上げ-1
胸のインテーク部分に取り付けるグレーのパーツは小さくてパーツ処理の際の保持が難しいので、裏面に1mmプラ板で「持ち手」を取りつけてみました。接着は瞬間接着剤を使っています。

2-6：胸上面のインテークの仕上げ-2
プラ板に貼りつけたヤスリ等で仕上げます。仕上げ後はニッパー等でプラ板を切り取り、瞬着が残らないように、裏面をヤスリで仕上げます。

2-7：胸上面のインテーク部の取り付け
強力タイプの両面テープで仮止めしてみました。（0.05mmのテープの厚み分ちょっと浮き気味です。）

2-8：コクピットハッチの両脇のインテーク部分
赤いカバーのパーツの内側にグレーのディテールパーツを組み込みます。

2-9：胸部パーツにセット
胸インテークのカバーパーツの軸を差し込んで胸パーツにはめて組み合わせます。軸棒に瞬着を塗ってやや太くしておくと、非接着で仮固定ができます。

3-1：腹部の組み立て
低収縮硬質レジンの黒いパーツにポリキャップとボールジョイントの受けをセットして、腹部パーツの上面にしっかりと接着します。

3-2：腹部内部パーツの組み立て
側面にジャバラ状のディテールの入った腹部の内部パーツを組みたてます。

3-3：腹部内部パーツ図解
図の赤いパーツの軸部分が腹部の白いパーツにセットしたポリパーツに挿入されます。腹部の前側の位置に軸位置（黄色）を設定する事で腰部の前方への可動を可能にしています。

3-4：腹部へのセット
腹部パーツの内側に内部パーツをセットします。

3-5：前傾姿勢
ガリアンは劇中で剣や重装砲を構える際に前傾姿勢を取るシーンが多いのですが、デザイン上、コクピットハッチの下部と腰部が干渉し前かがみにするのが難しいため このような構造を盛り込みました。

4-1：腰部の組み立て
腰部は低収縮硬質レジンの基部パーツとポリキャップをレジンの装甲パーツで囲む構造です。

4-2：股関節の底面
左右のパーツの接合部分は写真のようなパーツで隠れます。股関節の下側には4mmの角穴が開けてあるので、市販のアクションベース等に接続する事もできます。

4-3：腰部前面パーツ
腰部前面パーツは黄色い部分が別パーツになっています。またインテーク部は貫通していて、インナーパーツを装着する事で、マスキングなしで色分けが再現できます。インテークの穴の奥側の端にパーティングラインがあるので、紙やすりを貼り付けたプラ板を使うときれいに仕上がります。

4-4：インナーパーツを装着
インナーパーツにはスリットのディテールを刻んであります。

4-5：腰部の組み立て
股関節のパーツと前面パーツでサイドスカート部分を挟み込んで完成です。サイドスカートは太ももには干渉しませんが少しだけ上下に可動します。

4-6：ディテールパーツ
股間周りはこんな感じのディテールとなります。

5-1：胴体の完成
胸部と腰部でしっかりと接着を行った部分は写真「2-1」「3-1」の工程のみで仮組み、未塗装仕上げ、塗装仕上げ…と一つのキットで二度三度楽しめるように設計しています。

5-2：胸部横可動
胸部の内部のボールジョイントで左右に斜めに表情が付けられます。

5-3：胸部上向き可動
胸部内部のボールジョイントで上むきの可動も行えます。

5-4：腹部前傾可動
腹部に内蔵したインナーパーツで前傾姿勢を取る事ができます。

5-5：腰部横可動
腰と腹部をつなぐ横回転軸で、左右に胸部と腰をねじる事ができます。

6-1：ハンドパーツについて
握りこぶし、平手、武器の持ち手など、ノーマル版で9個、重装改版で10個のハンドパーツが付属します。

6-2：指の股を仕上げるための自作ヤスリ
細長く切り出したプラ板の端に細切りした耐水ペーパーを瞬着で接着して、写真のような道具を作ると平手パーツの指の内側を楽に仕上げることができます。

6-3：使用例
写真のように指の間にヤスリを入れて、プラ板の「バネ」を利用して、適度なテンションをかけて仕上げることができます。

6-4：握りこぶしの仕上げ
握りこぶしの指の先端部分に「レジンの湯逃げ」が入っているので、幅の広めのタガネ等で削り落とします。

6-5：ヤスリで仕上げ
奥まった部分で仕上げが行いづらいので、先端を細くカットした「プラ板ヤスリ（自作で1.0mm プラ板に耐水ペーパーを貼りつけたもの）」で仕上げました。

6-6：スプリングの装着-1
ボールジョイントと手の甲のパーツを取り付けた後、手の甲に1.5ｍｍのパイプスプリングを装着します。複製の為穴がやや浅いので1.5ｍｍのドリルで穴を深く掘り直します。

6-7：スプリングの装着-2
写真のように手の甲にスプリングを差し込んで、逆側を手首のカバーパーツに通します。

6-8：スプリングの装着-3
スプリングを詰めて手首のカバーパーツをボールジョイントの軸に通します。

6-9：スプリングの装着-4
余分なスプリングをニッパーでカットして完成です。

6-10：ハンドパーツの完成
握りこぶしが完成しました。ボールジョイントに同径のポリパーツを装着します。この部分は市販の他社ABS製ボールジョイント関節でも大丈夫です。

6-11：腕部フレームの組み立て
前回調整をしたひじ関節など、腕部のフレームを組みたてます。

6-12：前腕パーツにフレームを組み込みます
組み立ての順序は前回のコラム参照。

6-13：前腕の完成

6-14：上腕の組み立て
上腕の白いパーツにポリキャップを組み込んで、各色のパーツを組みたてます。

6-15：腕の完成
上腕、前腕を組み合わせて腕パーツの完成です。肩アーマーは次回以降解説していきます。

7-1：胸部・肩関節の組み立て
胸部の内側に組み込む引きだし式関節です。低収縮硬質レジンの本体にポリキャップを組み込んでフタをします。

7-2：軸の仕上げ
低収縮硬質レジンは硬度が高く、パーツに付く「バリ」も通常のレジンに比べて硬いので、貼りが出っ張っているとポリパーツを傷めてしまう可能性があります。図のようにキレイに削って仕上げておきます。

7-3：引き出し関節を挿入
肩のポリキャップに関節の軸を差し込みます。

7-4：腕の装着
引きだし式関節に腕を装着します。

7-5：胸部上方から
向かって左が通常時、右側が関節を引きだした状態です。

7-6：肩位置の上下可動
内蔵したポリパーツで肩位置を写真のように上下に動かすことができます。

7-7：剣の両手持ちが可能
武器の持ち手をまだ作っていないので、握りこぶしと平手ですが、写真のように胴体の正面で剣を持って構えることも可能です。ポージングは全体が完成してからまた詳しく紹介する予定です。