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誰でもできる♪ 原型師直伝ガリアン攻略ガイド!! 第3回

EEEシリーズ『ガリアン』。
スタイリング検証の為だけにクレイモデルを製作し、徹底的に練られたエクステリア。大きな可動範囲による楽しさと見栄えのするポージングを実現したアクション・ギミック。原型師の熱意とオーラすら伝わってくるキット構成と作る楽しさを存分に味わえるパーツ群。

ウェーブは岬光彰という希代の造型家とタッグを組み、一年以上の歳月を経て、2013年、遂に究極の機甲兵ガリアンのモデルキットを誕生させました。

  …とそんなキットが簡単・簡潔に紹介できる訳もなく、またせっかく生み出された究極クオリティのガリアンのキットの魅力をぜひ多くの方に知っていただきたい…。そこで、まずは原型を手がけた岬光彰氏自らによって、「誰でもできる」、そして「ワクワク楽しむ」ためのガイドを用意いたしました。
ここでは、キットの成型色をいかし、大掛かりな作業をしなくても充分に見ごたえのあるガリアンを作ることができ、更にこのキットの凄さを味わい楽しみながら完成できるよう解説していきます。 本キットに限らず、レジンキット製作のためのスペシャルテクニックも随所に盛り込まれていますので、ぜひ参考にしてください。


ガリアン攻略ガイド、第3回目は、足首の組み立てと、カラーレジンパーツの成型色を活かした仕上げをする際の傷や気泡の処理の解説をします。

このまま下へスクロールするか、左側のリンクから、気になる項目をクリックしてください。

それでは、ご覧ください!

1:足首の組み立て1
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1-1:足首のパーツ
足首を構成する各パーツです。ポリパーツ、プラサポを含めると、片足で25個のパーツ数です。レジンパーツは、カラーレジン(赤・濃いグレー・グレー)と低収縮硬質レジンの関節パーツで構成されています。

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1-2:離型剤落とし
今回は部分塗装を行うので「M-WASH」に漬けて成形の際に付着する離型剤(油分)を取り除きました。台所用の中性洗剤やクレンザーを使って歯ブラシで磨いたり、ホームセンターなどで売っているブレーキクリーナーなどの洗浄:脱脂剤を使っても、同様の処理ができます。

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1-3:足底のディテール解説1
足底部分には設定画のローラーの位置を元にしつつ、メカニカルなディテールを追加しています。

まず写真のようにローラーパーツを前後の足底パーツにセットします。

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1-4:足底のディテール解説2
ローラーパーツの上からカバー板をはめ込んで足底のディテールの完成です。
二重構造にすることで意図的に隙間を作り、立体感を強調した構造になっています。

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1-5:部分塗装1
ローラー部分とチラリと見えるメカの部分塗装をします。塗料はラッカー系です。

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1-6:部分塗装2
別パーツ化されているので、比較的簡単に塗り分けが行えます。

2:両サイドのローラーの溝の加工
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2-1:ローラーの湯逃げの処理1
足首の両サイドに付くローラーには、レジンを気泡が入らないように流し込む為の「湯逃げ」が溝をまたいで入っているので、デザインナイフとヤスリを使って丁寧に処理をします。

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2-2:ローラーの湯逃げの処理2
通常のゲート処理と同じように、ニッパーでゲート部分を切り離して、デザインナイフとヤスリでパーツのアウトラインを出してから、溝の縁に沿ってナイフの刃を当てて、不要な部分を少しずつカットしていきます。

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2-3:ローラーの湯逃げの処理3
溝の幅は「0.5mm」なので、0.3mmのプラ板に約0.17mmの厚みの耐水ペーパー(800番)を瞬間接着剤で接着した「プラ板ヤスリ」を作って、溝の縁をヤスリがけします。

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2-4:湯逃げ処理の完了
右が未加工のパーツで、左側が加工後のパーツです。

3:カラーレジンパーツの気泡やキズの処理

カラーレジンの成型色を活かして組み立てる場合、成型の際に生じた気泡や加工の際にしまった傷のパテ等での処理が問題となります。
通常、パテなどで修正してから、成型色に近い色味で部分塗装をして修正を行うのですが、ここでは瞬間接着剤の混合や着色を利用した加工法を紹介します。

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3-1:小キズの修正
写真の矢印の部分に0.5mm系位の小さな浅い穴があったので瞬間接着剤で処理をします。

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3-2:瞬着で穴埋め
この程度の小キズの場合は、普通の瞬間接着剤で埋めて、ヤスリがけをすれば気にならない程度に修正する事が可能です。
爪楊枝等で瞬間接着剤を穴に塗布して、そのまま硬化を待つか、硬化スプレーなどで固めます。

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3-3:ヤスリで仕上げる
ヤスリスティックなどでキレイに仕上げます。

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3-4:修正後
浅い穴や加工の際のキズの場合、透明な瞬間接着剤で樹脂の層を作る事で、写真のように目立たないように修正が可能です。

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3-5:白色瞬間接着剤&黒色瞬間接着剤
高圧ガス工業株式会社の「シアノン」のDWとDC-Bです。元々は大理石の補修などに使われる瞬間接着剤で、模型用途に瞬間接着パテとしても使えるため、模型ショップなどでも販売されています。

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3-6:グレーの明度をコントロール
適量を混ぜ合わせることでグレーの明度をコントロールする事ができます。
前回、濃いグレーのハンドパーツを加工する際に、パーティングラインの修正にも使用しています。

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3-7:グレーパーツへの使用1
気泡等は特になかったので、スネのインナーのグレーパーツに傷をつけて、カラーレジンの修正のテストをしてみます。

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3-8:着色
ガリアンのキットで使用されているグレーのカラーレジンパーツは、やや青味がかった色味の為、シアノン(黒白)にガイアノーツの純色シアンを適量混ぜ込んで色味を調整しています。

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3-9:パテ(瞬間接着剤)盛り
グレーパーツの傷をつけた部分に混合した「カラー瞬間接着剤」を盛りつけます。
硬化スプレーなどで硬めながら少量ずつ盛り付けると、短時間で中までしっかりと固められます。

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3-10:完成
デザインナイフやヤスリで仕上げて加工の終了です。 色味の調整を行った事で、レジンとパテ(瞬間接着剤)部分の境目が目立たない程度に修正ができました。

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3-11:赤いパーツのパテ加工
赤いパーツでもパテ(瞬間接着剤)埋め処理のテストをしてみます。
赤いパーツもしっかりと湯逃げに処理がされて、気泡は入っていなかったので、スネパーツの組み立て後に見えなくなる部分に2.5mmの穴を開けて、気泡の代わりとします。

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3-12:ランナーの加工
濃い色味の赤や青などの場合、着色で色味を近づけるのはかなり難しいので、穴埋めの主材としてキットのランナーを利用します。
写真のようにデザインナイフで穴のサイズよりもやや小さい径に削り出します。瞬間接着剤で隙間を埋めるので、正確な円断面でなくても大丈夫です。

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3-13:着色
白色瞬間接着剤(DW)にMrカラーの327番「レッドFS1136」を混ぜて赤色瞬間接着剤を作りました。
Mrカラーは色によっては瞬間接着剤と反応してしまい、ダマになってすぐに固まってしまうのですが、この色の場合は大丈夫なようです。

できるだけ少量で色が付くように瓶の底の方の顔料分を使用しています。

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3-14:穴にランナーを接着
穴とランナーに着色した瞬間接着剤を塗って、穴に差し込み硬化させます。

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3-15:切削
ナイフやヤスリで削って仕上げます。

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3-16:修正後
写真のように修正ができました。ランナーを削った際に、やや樹脂が白化して色が薄くなってしまったため完全に同色とはいきませんでしたが、近い色味での修正ができました

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3-17:透明な瞬間接着剤を使った場合
通常の透明な瞬間接着剤を使った場合、ランナーの周りに透明な樹脂の層ができて、仕上げ後に円状の跡が残ってしまうので、目立つ色味の場合には注意が必要です。

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3-18:塗料の向き不向き
23の欄でも触れていますが、原因はわからないのですが、ラッカー系塗料でも色の種類によって、瞬間接着剤に混ざらないものがあるので、仕様前に少量でテストをしてから試してみてください
写真はMrカラーの「黄燈色」と「色の源イエロー」ですが、黄燈色の方は瞬着に混ぜた瞬間に“ダマ”になり硬化してしまって混ぜ合わせて使う事ができませんでした。が、色の源イエローの方は、スムースに瞬間接着剤に着色ができました。
※瞬間接着剤への色付けは、自分もやり始めてまだ数年で、硬化反応や顔料や染料ごとの変色の有無など、まだまだ未知数な部分も多いので、お試しの際は不要パーツやパーツの目立たない部分などでテストをしてから行ってください

4:足首の組み立て2
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4-1:ポリキャップ
足首に使用するポリパーツは「PC-05」「PC-04」と、WAVEから以前発売されていた5mmの太軸のポリキャップです。
この太軸のポリキャップは1/24ボトムズシリーズや、EEEシリーズなど、メカ系ガレージキットの為に再生産したそうです。

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4-2:治具にセットしてカット1
足の甲に組み込む4mm穴のポリキャップの軸を治具にセットして、2mmの長さにカットします。

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4-3:治具にセットしてカット2
写真のようにカットします。

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4-4:甲のパーツにセット
甲のパーツにセットして底面の板を接着します。

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4-5:足底パーツの工作
足底パーツにはプラサポに挟みこんだ5mm穴のポリキャップを接着します。

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4-6:つま先ブロックの組み立て
ソールの軸と甲のパーツのポリキャップを接続します。

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4-7:つま先ブロックの完成
内蔵したポリキャップによって甲のパーツが斜めに左右に可動し、甲とソールの隙間からチラッと蛇腹パーツが見える構造です

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4-8:中央ブロックの組み立て1
低収縮硬質レジンのパーツで5mm軸のポリキャップを挟み込み(非接着)、ポリキャップをセットした足首の中央ブロックのパーツで挟み込みます。

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4-9:中央ブロックの組み立て2
組んだ状態です。グレーのパーツの接着せず、組んだままの状態です。

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4-10:ローラーパーツの取り付け
左右にローラーパーツを装着して、中央ブロックの前後のパーツを固定します。

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4-11:図解
パーツを挟み込んで固定する事で、組み立て後でもバラしてポリパーツの交換が可能な構造になっています。

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4-12:踵パーツの接着
踵パーツと、グレーの中央ブロックパーツ上部のポリパーツ隠しを兼ねたディテールパーツを接着しました。

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4-13:足首の完成
前後のパーツを組み合わせて完成です。

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4-14:サイド
ローラーのホイール部分も別パーツで色分けされています。

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4-15:足底のディテール
設定では四角い穴にローラーが見えているだけなのですが、模型的なアレンジで足底はこのようなディテールになっています。

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4-16:飛装型用ディテール
飛装型の際には関節部分が露出する為、お好みでアクチュエーター風のディテールを取り付けることができます

5:スミ入れ
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5-1:エナメル塗料でのスミ入れ
パーツのスジボリ部分や逆エッジの部分にエナメル塗料でスミ入れを行います。艶消しの黒と、つや消しの白にブラウンを少量混ぜて、溶剤を加えスミ入れ用の塗料を作りました。

ふき取りには写真左奥の「化粧綿棒」や、右手前のフィニッシュマスターを使っています。

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5-2:スミ入れ作業
スミ入れ作業は通常のプラモデルと同じように行う事ができます。
レジンキット(2液性硬質ポリウレタン)の場合、プラモデル等に使用されているポリスチレン(スチロール樹脂:PS)やABS樹脂に比べ、耐溶剤性が高いのでエナメルの溶剤で割れると言う事はほぼありません。
そのため、スミ入れの他、エナメル塗料を使ったウォッシング等のウェザリング表現も大胆に行う事ができます。

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5-3:ふき取り
スジボリに流し込んだ塗料が乾いたら、綿棒等に溶剤を含ませてはみ出した部分をふき取ります。

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5-4:エナメル塗料を使った部分塗り
スネパーツの内側の装甲断面的なディテールの塗り分けもエナメル塗料で行いました。 グレーのエナメル塗料をエアブラシでスネパーツの内側に吹いています。溶剤を多めにし、低圧のエアで、マスキングはせず、色味がしっかりと出るまで塗り重ねます

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5-5:ふき取り
パーツの縁の部分を溶剤を含ませた綿棒でふき取ります。

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5-6:塗り分けの完成
エナメル塗料による塗り分けの完成です。
このような曲線状で凸凹のあるラインはマスキングがやや難しいので、ふき取りを使った塗り分けが便利です。

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5-7:完成した足首パーツ
次回はスネ〜太もも、腰サイドアーマーを紹介していきます。

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