1-1：飛装型太ももパーツ
飛装型の太ももは専用の差し替えパーツとなります。腰の軸との接続関節はABS代替の低収縮硬質レジンで、ポリパーツを2つ内蔵させる構造です。

1-2：ポリパーツの加工
ポリパーツは軸をカットし、下側の角を写真のようにカットします。

1-3：ポリパーツの加工「図解」
図の赤い部分をカットします。デザインナイフを使用すると、きれいにカット出来ます。

1-4：関節の組み立て
低収縮硬質レジン製の関節を組み立てます。個体差で緩い場合がありますので、そのような時は、連載1回目で紹介した、瞬間接着剤を使用した軸の強度調整を行うとよいでしょう。

1-5：太ももの組み立て
関節パーツと、「1-2」で加工したポリパーツを組んだ状態で、太ももパーツの前面側にセットします。

1-6：前後面の接着
前後の面を瞬間接着剤でしっかりと接着します。

1-7：白いパーツの接着
しっかりと接着します。

1-8：後ろ側のディテールパーツ
バーニアパーツの基部となるメカ部パーツを接着します。

1-9：バーニアを接着
飛装型のバーニアパーツは設定のイメージ重視で、小型の物が付属します。 バーニア本体とノズルパーツの2パーツ構造になっています。

1-10：飛装型の太ももパーツの完成
サイドアーマーの基部となるボールジョイントを取り付けて完成です。

1-11：腕の関節パーツの交換
腕の伸縮もパーツの差し替えで行います。写真左上の球体関節を取り外して、その下にある、飛装型・飛装改用のジョイントパーツに組み替えます。

1-12：軸の調整1
使用したテストショットでは、4ｍｍ径の軸が少々入りづらかったので、ヤスリで軽く削りました。

1-13：軸の調整2
逆に少し緩い場合は、軸に瞬間接着剤を塗って、付属のポリパーツをはめて、軽く回しながら硬化させると軸の円断面を崩さずに、瞬間接着剤を薄く塗布する事が出来ます。必要な太さになるまで数回繰り返して調整します。

1-14：収縮時の腕の完成
写真のように上腕と前腕が、ほぼ密着した状態になり翼状になります。

1-15：アクチュエーターパーツの取り付け
足首を外して、飛装型時のスネを後ろ側に倒した時用のアクチュエーターのディテールアップパーツを装着します。

1-16：飛装型の脚の完成
ヒザアーマーを差し替えて飛装型の脚の完成です。

1-17：腰部、サイドアーマーの装着
サイドアーマー横の羽を跳ね上げて、太もものボールジョイントに装着し、両脚を腰パーツの関節軸に装着します。

1-18：上半身を取り付けて完成
上半身パーツを取りつけて「飛装型」の完成です!

1-19：部屋で「ブンドド」
気分が高揚し、せっかくなので部屋で飛んでる風にして遊んでみました(笑)

2-1：飛装改のパーツ
デラックス版に付属する飛装改パーツの組み立てです。

2-2：パーツの表面処理
ゲートやパーティングラインの処理で、ヤスリがけを行います。

2-3：パーツ表面の図解
ヤスリがけを行うと表面に細かな傷がついて、図のような状態になります。

2-4：ヤスリがけをして白っぽく見えるパーツ
ヤスリがけによる表面の細かな傷が、光の乱反射によりパーツ表面を白っぽく見せてしまいます。（白化）

塗装をする場合は問題ないのですが、無塗装で組む場合は、ヤスリがけをした部分としない部分で色味に差が出来てしまうので、少々気になります。

と言う事で、プラモデルの成型色仕上などでも良く行われる、「白化」の処理方法を簡単に解説します。

2-5：対処法1「コンパウンドで仕上げる」
パーツ表面をヤスリがけで1000番程度まで仕上げてから、コンパウンド（荒目タイプでOK）で表面を磨くとパーツの表面が滑らかに整えられて、乱反射を少なくし、レジン本来の色味を取り戻すことが出来ます。

2-6：磨き作業
荒目タイプのコンパウンド処理なので、ティッシュ等で磨くことでも問題ありません。

2-7：磨いたパーツ
コンパウンド処理によってレジン本来の色味が戻りました。表面にコンパウンドが付着したままだと接着等の支障になる事があるので、台所用の中性洗剤などで良く洗い落とします。

2-8：対処法2「クリアー塗料の吹き付け」
ヤスリがけで細かな傷のついたパーツの表面に、クリアー塗料を塗って、塗料（アクリル樹脂）で傷を埋めて処理をする方法です。磨いて処理をするよりも簡単に、レジンの色味を取り戻すことが出来ます。

2-9：ヤスリがけ後クリアー塗料を吹き付けたパーツ
写真「2-4」のパーツを800番まで仕上げた後に、半ツヤのクリアー塗料をエアブラシで吹き付けました。クリアー塗料によって表面の傷が埋まることで光の乱反射が減り、レジンの本来の色味がしっかりと復活します。

2-10：内側のパーツの組み立て
パーツ内側のメカパーツにポリキャップを装着します。

2-11：装甲パーツに接着
「2-10」のパーツを装甲パーツに接着します。

2-12：バーニアの取り付け
バーニアの3ｍｍ穴をドリルで深く掘って、ポリパーツの軸にセットします。サイドアーマー装着用のボールジョイントも接着します。

2-13：飛装改の太もも（バーニア）の完成
上部に白いパーツをはめて、飛装改の太ももパーツが完成です。

2-14：腰パーツに装着
飛装型の脚を外して、飛装改のパーツを装着。サイドアーマーも付け替えます。バーニアは設定画のイメージ重視し、飛装型よりも大き目な物にしました。

2-15：飛装砲の組み立て
飛装砲のパーツです（写真では本体の左右インテーク状のパーツを接着しています）。
バックパックとの接続パーツは低収縮硬質レジンです。

2-16：飛装砲の完成
各パーツを接着して完成です。

2-17：飛装改の完成
飛装改の完成です。

2-18：ベランダで「ブンドド」
せっかくの飛行機型なので、今度は空の下で遊んでみました(笑)

3-1：自走改の組み立て
前回製作した重装砲と組み合わせて戦車タイプの「自走改」を組み立てます。

3-2：関節パーツ1
自走改用の低収縮硬質レジンの関節パーツです。奥の状態から手前の状態に、しっかりと接着して組み上げます。

3-3：関節パーツ2
「3-2」のパーツを左右から挟み込んで関節パーツの完成です。

3-4：太ももパーツに組み込む
低収縮硬質レジンのパーツをポリキャップに装着して、太ももパーツに組んでいきます。

3-5：前後のパーツを接着
太ももの前後のパーツを接着します（スジボリを活かす場合は接着剤がはみ出さないように注意が必要です）。

3-6：後ろ側のディテールパーツの接着
ディテールパーツを接着して、自走改用の太ももパーツの完成です。

3-7：重装砲の軸の交換
重装砲のグリップパーツを自走改用の短いものに交換します。自走改用の物は低収縮硬質レジンです。

3-8：脚と重装砲を合体
スネの外側のパーツを重装改用のパーツに差し替えて、自走改用の太ももパーツを装着し、重装砲のグリップ軸に股関節をはめ込みます。重装砲のチューブ（軟質レジン）は右足のスネにセットします。

3-9：盾の装着
盾の上部を倒し、重装砲の溝と盾の突起を合わせて奥までハメます。

3-10：自走改の完成!
自走改の完成です。

4-1：重装改
そして最後にガリアン重装改にも組んでみました。

4-2：アクションポーズその1
長大な重装砲をかまえるガリアン!

4-3：アクションポーズその2
有名な高荷氏のイラストをイメージしてポージング!

4-4：アクションポーズその3
設定画の両手で剣を構えるポーズをイメージして。

4-5：ポージング補足
キットは股間ブロック下部に4ｍｍ角穴を残すこともできるので、支え棒を差し込むことで写真のようなジャンプをしたポーズなども楽しむ事が出来ます。重量のあるレジンキットである為、プラモデル用の展示台等は不向きなので強度のあるアクリル棒や金属棒等をご使用してください。

さて5回の予定がプラス延長2回の全7回となり、解説してきました「ガリアン攻略ガイド」ですが、今回で遂に終了となります。 原型師としてキットの魅力を紹介するだけでなく、カラーレジンの加工、修正方法等をメインに、低収縮硬質レジンの紹介など、EEEシリーズで今後続くザカールやレイズナーMK-2の他、一般的なガレージキットやプラモデルにも応用できそうな工作法を交ぜて解説いたしました。いかがでしたか？

キット自体についても、カラーレジン、フル可動、差し替え変形、様々な特殊レジンの使用…と21ｃｍのレジンキット「ガリアン」として、詰め込めるものは全て詰め込んだ仕様となっています。その分、価格も膨らんでしまいましたが…当連載をご覧いただき、キットの内容をより深く知ることで気に入っていただけましたら幸いです。

パーツの多いキットですが、だからこそ焦らず、コツコツと腰を据えて取り組んでいただくことで、作ることを楽しめる内容になっているのではないかと思っています。また、記事中で紹介したような成型色仕上げだけでなく、「俺のガリアンはこうだ!」と自分好みのガリアンに工作・塗装などでじっくり仕上げていただいたりするのも、キット原型を担当した者として嬉しく思います。

いつかまた機会があれば、このような企画も参加させていただきたいと思います。
それでは！

岬光彰